「流れに掉さす」

「流れに掉さす」
流れに棹をさして水の勢いに乗るように、物事が思いどおりに進行する。誤って、時流・大勢に逆らう意に用いることがある。
 
文化庁が発表した平成24年度「国語に関する世論調査」では、「その発言は流れに棹さすものだ」を、本来の意味である「傾向に乗って、ある事柄の勢いを増すような行為をする」で使う人が23.4パーセント、間違った意味「傾向に逆らって、ある事柄の勢いを失わせるような行為をする」で使う人が59.4パーセントと、逆転した結果が出ている。
 
ずっと誤解していた。
 
草枕」の冒頭
「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。
 意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。」
 
情に逆らえばと思っていた。
情に掉さして流れに乗ると、勢いが強くて流されてしまう。
ということなのか。
 
でも、世間の「流れに掉さす(勢いに乗る)」ような傾向は良いことだとは思えない。
私の今まで使っていた意味で、流れに掉さしたいと思っている。
 
私にとって、掉さして(傾向に逆らって)生きることは、
真実を見つけるためには必要なことだった。
情勢の流れに乗って、さらに加速していくことは決してできない。
 
だから、
私はこれからも今までどおりの意味で「流れに掉さす」を使っていくつもりである。