二次方程式はなぜ解けるのか

二次方程式 X^2+aX+b=0  ・・・()
解の公式は、X=(-a±√(a^2-4c))/2
ところで、X=α,βとすると、
(X-α)(X-β)=X^2-(α+β)X+αβ=0 ・・・(2)
つまり、a=-(α+β),b=αβだから
 
X=((α+β)±√((α+β)^2-4(αβ)))/2 ・・・(3)
 
この式をよく見てみよう。
二次方程式の根は2つあるが、
このαβを入れ替えても良いということがわかる。
もちろん(2)からもわかるが、
この式は解の公式がαとβに関してまったく対称であることを示している。
つまり、αとβを入れ替えても(1)の式は必ず0になる。
 
さらに、√の中を見ると、
(α+β)^2-4(αβ)=(α-β)^2
つまり、
X=((α+β)±√((α-β)^2))/2 ・・・(4)
これはα=βの時があることを示している(重根)。
ルートを展開すると、
X=((α+β)±(α-β))/2
この式の(α-β)・・・(5)は対称ではないのに、
入れ替えても答えは同じになる。
 
ここで、三次方程式について同じように考えると、
(X-α)(X-β)(X-γ)
=X^3-(α+β+γ)X^2+(αβ+βγ+γα)X-αβγ=0 ・・・(6)
だから、根をどのように入れ替えてもこの式は対称である。
では、(5)と同じように考えた式
(α-β)(β-γ)(γ-α)=Δはどうなるのか?
入れ替えると同じ値になる場合は限定される。
例えばα⇔βでは-Δになってしまう。
でも、α→β→γ→αと変えれば、値は変わらない。
 
これを根の置換群で考えると
(6)の式を変えない3つの根の置換は3次の対称群になり、
Δの値を変えない置換はそのうちの遇置換になる。
遇置換の全体は3次の交換群になる。
 
4次だと4次の対称群と交換群である。
この様に根の置換は群をなしている。
では、具体的な方程式について考えるとどうなるのだろうか。