理と情について一言
ただし、知と言っても、このさとりの世界は佛の無差別智でしか認識できない。
私たちは差別智しか持っていないが、この無差別智の世界を感ずることはできる。
佛はその無差別智で、智の世界と悲の世界をどのように統合したのだろうか。
許可されるのである。
重衡は、東大寺を焼いてしまったことなど、自身の罪を語り、どうやったら救われるのか上人に尋ねる。
その時、法然上人は重衡の話を聞きながら、
「泪にむせび、うっぷしてしばらく何も話さなかった。」
と書いてある。
法然上人は理のみの人ではない。
情の人である。