It is not my fate.

「ホワイトホース」は英語の字幕版がサイトにある。
 
2008年の映画で、わずか19分の作品。
主人公は6歳で被ばくした青年マキシム。
彼が、2006年、20年ぶりにわが家に戻る場面だけでできている。
 
字幕が英語なので、一時停止して辞書をひきながら見る。
チェルノブイリから数キロの自分のアパートの一室で、
彼は自分の部屋で白い馬の絵を見つける。
 
監督が彼に尋ねる。
Were you happy here? -What?
 
Yes,
I would have liked to continue my life here.
I think that…
No, that isn't right.
It's that…
IT is not my fate.
 
そう言って、彼はホワイトホースの部屋に一人にして欲しいと言う。
しばらくたって、出てきた彼が語る。
 
It's so fucking sad.
I'll never come back here again.
I don't even want to.
I want to stay here so much・・・・alone.
 
階段をおりながら彼は言う。
 
What a shame,     What a shame.
 
彼が考え考え、やっと出てきた、「それは僕の運命ではない」
という言葉をどう考えたらいいのだろう。
あれからずっと考えているが、わからない。
20年で彼の親族が10人も死ぬ。
彼自身も6歳の時、
好奇心に駆られ原発の事故を直接見に行き、もろに放射性物質を浴びる。
そういうあらゆることを含めて「僕の運命ではない」と言わざるを得なかったんだろう。
彼の底知れぬ悲しみは胸に響く。
 
ぜひ見てほしい。