私たちが、子どもをほめるとき、そこには意図がある。
(1)子どもを自分の意図する方向に動かそうとするとき
(2)子どもを良い気持ちにさせようと思ってほめるとき
(3)おだちん、報酬としてほめるとき
(1)は子どもを良い方向へと思っているが、それは子どもを支配すること。
(2)は自分を受け入れてもらうために、子どものご機嫌取りや、ゴマすり。
(3)は子どもの行動に対する報酬。目に見える評価である。
全て、否定的な面をもっている。
では、そうではないほめることとはどんなことだろうか。
(1)本当にうれしくてほめるとき
それは、「私はうれしい。ありがとう。」という言葉になるから
ほめるとはちがうような気もするが、これは気持ちだろう。
(2)努力をほめ、結果をほめない。
結果をほめると、できたかできなかったか、成果が上がったかという
成果主義になる。努力したことをほめることは子どものやる気を失わせない。
(3)その子が気がつかなかったことをほめる。
そういわれて、そうだったんだと思うようなことをほめる。
子どもにとっては、新しい自己の発見になる。
(4)馬鹿にし、奮起を促すようなほめ方
やがて、もっと上を向くように促す。
叱るよりもほめる方が効果があることはよく言われる。
しかし、どうほめたらいいのか、そもそもほめるとはどんなことか
なかなか意識に上らない。
そもそも、ほめるということは、子どもに対する承認である。
とすると、ほめる前に、子どもに対する存在的な承認・・・
「あなたがいてくれるだけでうれしい。」という承認があるのだろう。
でも、その前に、自分自身が自分自身に対して
この根源的な承認を自覚しているのか、
それは大きな問題である。