座右の書

「数学教師人生を変えたこの一冊」  (数学教育
 
というテーマで、本を一冊選ばなければならない。
最初数学の本をいろいろ選んでいた。
選んでいると、中身も読み出す。
 
最初に選んだのは、デデキントの「数について」
これは学生時代に最初にゼミナール形式で読んだ本。
切断による数直線の構造がようやくわかった。
 
次は淡中忠郎の「代数学新講」
授業で習ったが、それ以後も何度も読んだ。
最後のガロア理論が魅力的だった。
 
同じく岩田至康の「歴史的に身た数学概論」
教師になって教材研究のバイブルだった。
これによって、作り出す数学を志向するようになった。
 
しかし、教師として一番影響を受けたのはと考えると
大西忠治を挙げざるを獲ない。
彼の国語教育の読みの理論を読んで、
数学の理解(読み)の理論をつくろうと考えたほどだ。
 
大西忠治の本の中に大事な言葉が書いてあった。
引用して終わろう。
 
「教育とは、被教育者の教育する者への否定を、
つまり、後代は教育を媒介としてはじめて前代の否定者たり得ることを
本質としているということ」
 
教育の本質は、教えたものから否定される=乗り越えられるところにある。
乗り越えられるから希望を託せるのである。
 
オリンピックのアスリートとコーチの関係も同じであろう。