朝ドラ「あんぱん」を見ている。
のぶが女子師範学校に、嵩は高等芸術学校(高等学校)に入学する。
この二つの学校が全く対照的に描かれている。
師範学校は教員を育成するための学校で、のぶたちは軍国主義を叩き込まれている。
一方、高等学校の方は自由でのびのびとした雰囲気を持っている。
このちがいはどうしてなんだろうか?
この番組は、戦前の教育システムの違いをはっきりと示したいのではないか。
明治の日本の教育システムを考えた人たちの目標は、西洋に追い着け追い越せだった。
そのための土台は学問で、特に科学や芸術には自由な発想や思考が大事で、それは自由な雰囲気の中から生まれるということを知っていた。
でも、自由な発想を全ての国民がすると、国民を統制できないという危険(政府にとって)があった。
だから教育勅語を作り、天皇の赤子としての平等な国民という位置づけをしていった。
そして、一部のエリートには自由な発想で科学や学問を発展させるが、そうでない国民には教育勅語の徹底をする尋常小学校というシステムを考えた。
さらに1941年には国民学校を作って軍国主義教育を始める。
尋常小学校や国民学校の教師は師範学校で育てるのだから、自由な雰囲気の高等学校とは全く異なった教育がなされる。
つまり学問と教育は全く異なるという発想からこのシステムが成り立っている。
教育も科学の一つであり、科学や学問を基礎として行われなければ子どもたちの発達は保証されないのだけれど、このことをのぶはどう乗り越えていくのだろうか。