こういう数当てのマジックがある。
タネは2進法を使うこと。
数字は1+2+4+8+16=31字
これは2⁰=1,2^1=2,2^2=4,2^3=8,2^4=16となっている。
これはもろに数字(学)なので、情緒がないと感じてしまう。
そこで次のような編集が平安時代になされた。
これはマジックではなく二人で行う「なぐさみ遊び」である。
まず、次の図の右上のいろは歌の中から、好きな文字を一つ選び覚えておく。
その文字が桜の花にあるか葉にあるか答える。もう一人は、
花にあると言ったらその幹にある数を足していく。2+4+8=14
そして、いろは歌の文字を順番に数えると、文字が分かるという仕組み。
これを交互に行う。
下の和歌は説明になっている。数字も和歌の一部になっていると気づいた。
いろはの文字くさり.
花にあり 葉にありとのみ いひおきて 人の心を なぐさむるかな
また、
花は取れ 葉はあだものと 思ふべし
一二四八(ひとふたよつや) 十六(とおあまりむつ)
構造は先ほどの数字だけの問題と同じなのだが、はるかに情緒がある。
これは編集の妙技と言っても良いと思う。
ひとつだけ不満なのが、いろは歌だから47文字あるけど、最初の31文字しか使えないことだ。
というわけで、江戸時代の人が、31だから三十一(みそひと)文字つまり和歌にすることを思いついた。もちろんすべて同じ文字が出ないようにする。
それがこの和歌。これは問題の説明にもなっている。
問題は上の桜の花に文字が書いてあるが、構造がわかり易いように表にしてみた。
編集の妙技。
こんな歌も編集している。
「さくらぎの ふみやいづれと おぼろげも はなにありしを かずえてぞうる」
こういうのはこの列島の人たちは得意だったんだろうと感じる。
しかし、ここまで来ると、不思議だけどなぜそうなるのかもわからなくなる。
そこで、改めて原理に戻る。
2進法の原理だ。
この表を見ていると、31までの数を半分ずつに分けられることに気がつく。
それぞれが1、2、4、8、16を表している。
その分類を使ったのが最初の数当ての原理。
目付字は数字を文字に置き換える。
さらに31文字すべてを使って葉にあるか花にあるかで分類している。
これが見事。
上野真弓さんはさらに3回で数を当てるという方法を見出した。
ついでにマイナス二進法も紹介
60、ビル・ゲイツの面接試験
~マイナス2進法(二進法)で数を数えなさい~ (2004.7)