不等式を拡張する方法「相加・相乗平均からコーシーシュワルツの不等式まで」

共分散を調べていた時、不等式から相関係数が1以下になることを示していた。
その不等式の使い方が面白そうで、どうやってこんな不等式を見つけたんだろうかと考えていたら、不等式の拡張の仕方が浮かんできた。
全て、相加平均≧相乗平均の拡張だったのだ。
それが面白かったので記録しておく。

最初は、相加平均と相乗平均の不等式①から出発して、段々拡張していく。
その時使うのは平方公式だけで、この方法は応用範囲が広い。
そして、この不等式には等号が入っている所が大事で、①は右辺で、②③④は左辺で割ると≦1となる。(相関係数を求める時に使う)

最後の不等式④を「コーシー・シュワルツの不等式」という。
どうやって導くのかが分かると、新しい不等式が見つかるかもしれない。
さらにこれらはa,b,cと3項に拡張することができる。

②の式についてのアナロジー

 という平方公式を
二人の力の和の自乗は、それぞれの自乗の和よりも大きい
と喩えるのは、aとbがそれぞれプラスの時である。
 一人一人がバラバラに頑張るよりも、合わせた力を自乗(頑張る)した方が大きな力を発揮する。つまり、協力(協業)すると、より大きな力を発揮する喩えとして使った覚えがある。
ところが、どちらかがマイナスだと、逆に和の二乗は小さくなる。
つまり足を引っ張るものがいると生産性は下がることになる。

で、②の式は、「個々人の力の自乗の和は、二人の力の和の自乗の半分よりも大きい
ということを示していることになる。
自乗するとマイナスもプラスになるからだ。
そして、「二人の力の和の自乗には上限があって二人の自乗の和の二倍まで」だということも示している。
自乗は「一人一人の自乗の力」に喩えている。

スタートである「相加平均≧相乗平均」についてのシート