ハビトゥスは個人の発達の中でどのように形成されるのか
それにヒントを与えてくれるのがヴィゴツキー。
彼の名前をつけた三角形があることを昨日知った。
「ヴィゴツキーの三角形」
媒介 文化(言語・記号・道具など)
↗ ↖
↙ ↘
主体 ← → 対象 (人・テクスト・環境など)
ヴィゴツキーは子どもの発達において個人をとりまく「歴史や文化」の「働き・意味」を重視した。
この文脈の中でなら、「外言→内言」や「今どうなっているかより次に何ができるか(最近接発達領域)」という彼の理論がよくわかる。(「内言→外言」はピアジェで、→は発達を表す。「今どうなっているか」もピアジェ)
発問とシンキング・スキル・・・「内言」から「発問」の意味を問う
と同時にハビトゥスの形成のされ方も。
そして、社会学と発達心理学と文化人類学が結びつく。
さらに、竹内先生が「第三項をいれて実践せよ」といつも言われていたわけも。
ちなみにこの三角形を紹介している佐伯胖先生の講演のサイト
学びにおけるインターラクション
この中でヴィゴツキーの三角形は次のように変形する。
そして見事に今までのまとめになっている。
この中に出てくる実験と同じようなことを考察したことがある。
「ピアジェ」の理解の仕方・・・学力調査から何がわかるか
ただ当時はこれを「文化の問題」でもあるとは思わなかった。
〇「学力」というものは空なるもので、実体としてどこかにあるものではない。
〇「勉強ができるとかできないというのは個人の意欲や努力の結果だ」
という頑強なハビトゥスをどう変えていくことができるか。
〇この見方を捨て去り、新たな見方や世界とのかかわり方を創りだすこと。
これこそが「学び」であり、決して知識を詰め込むことではない。
(「反・教育入門」子安潤著より)